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「グランディア国物語」
Chapter3 わたしを繋ぐ声<ルシュド編>

愛しい彼の*

 ←そうしてわたしは、 →あたらしいはなしを。

 「行くのか、レシア」
エメロットがいつもと変わらない笑みで微笑んだ。
「ええ、行きます。――その前にひとつ、聞いてもいいですか」
「――何だ?」
首を傾げたエメロットに問う。
「あなたは、精霊が見えていたんですか。……精霊使い、だったんですね?」
掘り返すようで悪いけれど、師でもあり養父となったエメロットのことは知っておきたいと思った。
「ま、聞かれると思ってたが、ずいぶんと直球だな」
くすくすと笑ったエメロットが腕を組む。――いつもの飄々とした笑みは消え失せて、少しだけ切なげな物憂げな笑みを浮かべる。
「あなたは父だろう。なら娘のわたしだって知る権利はあるはずだ」
「……まぁ、そうだなァ」

 何拍かの間のあと、エメロットは笑みを浮かべながら口を開いた。

 まだ俺やレイシス、そんでサイラス坊の親父のシリュウがお前くらいの歳の時だ。今のセザール様の父君である前王から命を賜ってな。
 俺たちはその時、多少の噂が広まるくらいの腕を持っていてそれが前王の耳に入ったわけだ。三人とも、直接話すことはなかったけどお互いに噂で聞いていてな、まあ、それで旅が始まったわけ。
 その時んなって、シリュウのあとには男勝りのミランダがついてきたり、レイシスには我儘お姫様のミレイアがひょんなことからついてきたり、で大所帯の旅になったんだがな。
 悪い噂が立ち始めた盗賊を壊滅させたり、野盗をつぶしたり、破落戸をこらしめたり――まあ、似たようなことをいろいろやりながら、同盟結んだ国の内乱止める役をしに行ったわけだ。
 その時にな、出会ったんだよ。
 逃げたがりで死にたがりなくせして、他人を助けたがる精霊に。
 助けてやった直後に「死にたい」なんて文句言いやがったから、いらっときて無理矢理生かしてやったわけ。世話やいて、傷手当して寝かしつけて。
 そんで、なりゆきで旅も同行することんなって、
 精霊だってこと隠したいっつったそいつは、自分の負担になるのに――人間であろうとして、力を使ってレイたちにも姿を見せてた。
 んで、いつの間にか……恋人んなった。
 逃げたがりで死にたがりだったそいつが、生きたいって思えるようになったとき――厄介な事件が起こって、そいつは――リーシャは、その事件以降消えていなくなった。
 禁忌を犯した精霊っつうのは、一体どうなるんだろうな。

 【おい】

 ルシュドがわたしの腕を引き寄せながら、エメロットに声をかけた。

 【お前はシアにとって、大事な存在だ。――シアを大事にしてくれた、それへの精霊としての誠意として教えてやろう。――リシャーナはサラの前任の生命の精霊だった。あいつはその事件以降、禁忌を犯した犯罪者として精霊ではいられなくなったが、……死んではいない。俺も少しだけ手助けをしてな。生命の精霊だったからこそできた、……あいつは今、人間の命を生きている】
「――……!?!?!」
【どうするか、どうしたいかは自分で考えればいい。だがその事実だけは伝えておく】
「そ、……んな、こと急に言われても、よ……。は……?!……リーシャ、が」

 戸惑ったように不規則に息を吐きだして、口元を押えるエメロット。ルシュドはそんなエメロットを見やって、無碍なく言葉を投げた。

 【あいつが精霊でいることも捨てて、全てを擲ってでも失くしたくなかったものは何だ。お前もゆっくり考えたらいい。――レシアは貰っていく】
「ちょ……っと、待て、ルシュド!」
【ひとりで考えたほうがいい問題だ。行くぞ】

 半ば無理矢理と入ったように、精霊界へと帰る闇の中へと引っ張りこまれる。
 エメロットの戸惑ったままの顔が見えた。
 わたしは多くを分かることはできないけれど、ひとりで決着をつけたほうがいい、というのは当てはまるかもしれなかった。
 エメロットもわたしと同じように精霊が恋人で、そして〝何か〟が起こってその恋人を失ったのだ。そうして、永遠に失ったと思っていた、先ほどまで。それを唐突に生きている、と言われても飲み込めないのは当然だ。
 しかも、あのエメロットが戸惑って口ごもるような出来事が起こっていた。
 きっと辛くて、苦しくて、――もうひとりでいいと思えるくらいの、彼女以外いらないと今の歳まで独身を貫くくらいには愛していたのだ。
 それが分かったから、
 分かってしまうから、
 わたしもそれ以上何も言うことはできずに、ルシュドの腕に身を委ねた。

*・*・*

 精霊界に帰って来ると、一気に力が抜ける。安心したのか身体が一気に重くなるようだった。

 【やっぱりな。自分で感じていないだけで結構身体はきているんだ】
ため息ついたルシュドが抱き上げてくれる。
【フィリップ、お前はルイカの動向を探れ。サラ、お前はこいつの面倒を、戻るぞ】
【じゃ、俺は別行動だな】
ルシュドの言葉に、フィリップが頷いて踵を返した。
「……思っているより、疲れたのか……」
【最初にしては上出来だろう。ゆっくり休めばいい】

 優しい声が聞こえた。その声とともに、重たい瞼を閉じていった。

*・*・*

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――Side Rushd.


 黒を基調としたこの部屋がこれから恋人となり、栄となった彼女が見慣れる光景だ。ベッドの上に眠るレシアの髪を撫でた。
 足を組み、彼女の身体のそばに腰かけたまま、現れたフィリップを見やる。レシアの髪をゆっくりと梳きながら、紅い眼光だけがフィリップへと向けられた。
【どうだ?】
【動きはあったぜ。ルイカは以前襲ってきたあのキモイ手下を大量生産したあと、襲ってくるつもりだろう。何人か、俺の眷属の精霊も殺られたわ。もう人員さけねえ】
【わかった、……まぁ……夜のうちに、ここへ来る大馬鹿ではないだろう】

 ゆっくりと髪を梳き、頬を伝ってから話す。

 紅く光る眼光は窓の向こうへと投げられる。満月の夜、星がちりばめられている幻想的な夜空だが、ルシュドが我が城とする屋敷の周囲にはルシュドの眷属の精霊たちが警戒網を張り巡らせている。
 レシアがルシュドの〝栄〟となってくれたおかげで、ルシュド自身の力はとてつもなく増大した。それに関連して、ルシュドが従える闇の眷属たちも力が増した次第である。
【〝栄〟って本当にすごいんだな】
フィリップが腕を組みながらレシアを見つめる。

 ここに来て、闇の眷属たちに人型のものが多くなった。動物だった姿から人へと姿を変えられるようになったもの、いろいろいる。だが、そのほぼ全てが以前より力が増大したことにより精霊としての位が上がったためだ。
 それは等しく、闇の精霊たち――すなわちルシュドの力が強くなったことを示す。

 全て、レシアのおかげだ。

 【シアも安心して眠っているみたいだし、夜くらいは安心させてやればいいだろう】

 少年の姿のままのサラがそう言って、笑みを浮かべる。

 【て、言ってもよ。――そろそろ始まると思うぜ、……あいつとの戦いが】

 サラやフィリップでさえも、ルイカには及ばない。決死の覚悟で向かっていて、やっと一矢報いる程度になるだろう。けれど、今はレシアのおかげでもともと強かったルシュドが強くなったのだ。十分勝てる見込みはあるし、ルシュドの態度から見てもそれは分かる。
 フィリップの言葉にルシュドが不敵に笑んだ。――その笑みは、ルイカのことを蔑むようなそれも含まれていた。

 【俺はあいつを許さない】

 その声音はかつて精霊界の混沌を戦いで勝利し続けることで治めた彼の皇のそれがある。
 サラとフィリップは自然と、いつものように片膝をつく。

 【御意。ルシュドとレシアのために】
【全力を尽くさせてもらいます】

 ふたりの部下の言葉にルシュドは目を細めて、ゆっくりと頷いた。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――End.


*・*・*


 朝、目が覚めると――体重が圧し掛かるようにしてあるのが分かる。
 ん……?
 横を向くと、すぐ目の前に彼の胸もとが見えた。腕が背中に回っていて、抱きこまれるような形になっているらしい。だから重かったのだ。少しだけ視線を上げると、未だ目を瞑っている恋人の姿があった。

 自然と笑みがこぼれる。
 過去のわたしには、訪れることがなかった未来と日常だと思うと。
 些細な毎日すら、わたしにとっては大事なもの。それが今のわたしには分かるから。

 【……シア、起きていたのか……】 
「ああ、わたしのほうが寝たのは早かったしな」
まだ少しだけ眠そうなルシュドの声が聞こえた。
【俺たちにとってはまだ〝夜〟だぞ】
「まあ……、否定できない」

 そんな会話をして、くすりと微笑むと――腕が引っ張られてベッドに倒される。そしてその刹那に、ルシュドが跨るようにして上で笑っていた。その不敵さといったらない。

 【……シア……】

 声がする、真剣な声が。

 【……お前を狙う……ルイカが動き始めた。お前にも危険があるかもしれない、先に謝っておく】
「大丈夫だ、わたしは」
【お前に触れられない日が続くだろうからな。――その分お前に、】
「ああ、……いいぞ。ルシュ……」

 稀に見せた受け入れの微笑みに、ルシュドが目を見開いて、そうしてゆっくりと口角を吊り上げた。

 「――ンう」
【ん――】

 拒む必要もない。
 羞恥ももうない。
 あるのは、ルシュドのそれに応えたいと思う気持ちと、触れたいという欲求で。

 唇を重ね合わせる。いつもは受け入れるだけのわたしが同じように舌を動かしたのを、ルシュドがわかったようで、強く抱き込まれて、そうして深く舌が絡んできた。
 互いの息が薄明りの部屋の中に響く。
 彼の背中に腕を回して抱き寄せると、彼が逆に腰を強く引き寄せてきた。

 唇を離して、空気ひとつ挟んだ距離でふっと笑い合う。

 【随分と熱心だな】
「……慣れたから。……もし、戦いが始まるというのなら、わたしも寂しいしな」
【……そうか】

 再度、触れ合いが始まって。服が擦れる音がして、脱ぎ捨てていく。

 目の前のルシュドが忌々しそうに服を脱いでいく。黒で統一された彼の衣服が床に投げられていった。

 【お前も脱げ】
「自分で脱ぐのか」
【脱がされたいのか、……お前も、言うようになったな。あんなに子供だったくせにな】
「ふふ。……お前と一緒にいたからな。――ルシュ……」

 半裸になったルシュドに腕を回す。ふっと大人びた笑みをこぼしたルシュドは重ねた唇に応えながら、服を脱がせてくる。

 「ん……ぁっ」

 【こっち来い】

 身体に触れられる。感じるところを探り当てられて、それでも抵抗せずに目を眇めたわたしにルシュドが不敵に微笑みながらそう言った。

 「――ぁあっ……、ぁ」

 胸に指が這い、腰を引き寄せられる。彼の脚の間に座るように近寄って、甘い刺激を感受する。抵抗しないわたしに、機嫌を良くしたルシュドが優しい口づけを降らして、頬を撫でてきた。
「ふァ……ぁ」
びく、と肩を揺らしてルシュドの胸元に顔を埋める。胸の先端を捏ねるように擦られた。同時に太腿の付け根に指が伝って奥へと沈む。
「ァあ……っ、あ……!」
とたん、感情を流し込まれる。心が通じ合っている、もう隠し事はできなくてそうして隠されることもない。何を思っているか思われているか、どこか感じるのか気持ちいいのか、些細なことまで全て伝わることが羞恥の臨界を超える。これを最中にするのは何度目だろう、けれど、慣れることはない。
「ここか」
短くだけど悪魔の囁きを零したルシュド。声を上げて、そのどうしようもないくらいの甘い刺激に陥落しながら耐えるように爪を立てた。

 そして、緩く腰を進めてきたルシュドが抉るように強く突いてくる。言葉を交わせる余裕もなかったが、心の中で会話はできているのだから、口に出すことはいらない作業だと思った。
「……だ、め……ッ、」
「ここ、好いんだろう」
(そんなことっ……言うな!意地が悪いぞ……!)
(なぜか知らないが……余裕そうなお前に加虐心を煽られてな……)
「な……っ!、ァん」
 強く抉るように弱い部分ばかりを突いてくる動きにただ、喉を反らせて喘ぐしかない。
ひとの頃よりも格段に強くなったその刺激を享受する。――ルシュドに頭を撫でられるのは好きだ。抱きしめられるのも、口づけられるのも。幸せを感じて落ちるこの感覚が、わたしは好きだ。
「――シア、」
唇に指が這い、いとおしそうに名前を呼ばれる。

 どくん、と心臓が大きな音を立てて。


「―――ああぁっ……」
高みへ落されて、わたしの意識が遠のく。


 その直後、彼特有の笑みが見えて。


 ふわりと、微笑み返して――意識を手放した。

*・*・*


 幸せを噛みしめた数日後、――ルシュドの言っていたように、それは起きたのである。
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~ Comment ~

最新話!

おひさしぶりです、お仕事していました管理人です。

読んでいてわかると思いますが、
ルシュド編のルシュドさん……R18担当ですはい。
彼にすべて任せています。
なんかそういう場面多くなりました、なんででしょう 笑

それはさておきまして、(置くんですね…)
ルシュド編佳境になりました。
読んでくれているひといましたら、はい、もう少しで終わりです。

次の編を今模索中です……(・д・)ノ
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