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「蓮姫」
~蓮姫~番外編

いつかの誓い【伍】

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 見張りのところに行くと、人数が二人足りていない。
 「おい、他の二人はどうしたんや?」
眉を寄せながら淘汰が部下たちに聞くと、部下の数名も首を傾げる。
「さあ、店の周りを巡回すると言ったきり……、探してきますか?」
「いや、もう中には入ったんか? 奴らは」
「さきほど、……まったく巡回どころではありませんね」
「やな、あとで絞めたらなあかんな」
部下と会話をすますと、淘汰はため息をついた。







~side ouma~
 皇眞は、開いた扉から見知らぬ顔の男が二人入ってくるのを睨みながら見上げた。
 「―――白吹殿、淘汰様はどこですか?」
「……誰だ」
「ご当主の部下でございます。 ご当主はいないらしいですね」
にこやかに笑みながら笑うその男二人が―――淘汰の部下だと言うことは理解できたが、皇眞はもともと人を信用しない。そして、こんなときに笑んでいる人間を信頼するのは馬鹿というものだ。
 「……菊、……黙って後ろにいろ。 義姉さんもそこから動かないで下さいね」
皇眞は菊を白雪のほうに押しながら、皇眞は帯剣している剣を掴んだ。

 「ねえ、皇眞。 うち、も!」
「あなたは今は花魁ですよ、黙って俺の後ろにいてください。 大体そんな恰好ではまともに動けないでしょう?」
小さく抵抗した白雪を皇眞はいなして、淘汰の部下だという男二人を見やる。

 「―――な、なんですか。 白吹殿!! 俺たちは敵ではあり……」

 「じゃあ、何なんだろうな? その後ろにいる多勢の人間の数は? ―――俺らを、殺そうとしているんだろう?」

 そう皇眞は気づいていた。
 その部屋の外の廊下にいるおびただしい数の人間の数を。
 それが、敵だということも。

 「気づいていましたか、伊達にご当主のお墨付きじゃありませんね」
「―――…はぁ……、―――義姉さん、殺して平気ですか」
「……」
「了解です、駄目なんですね。―――…そこから動かないでください」
苦い顔をして黙り込む白雪を見て、皇眞は声を低くして言いながら、剣を構えた。

 そして数分後、自分を馬鹿だと罵倒することになった。 相手は数十人、護る相手は二人―――庇う人間は自分ひとり、だ。
―――残りは、十五人……まだ笑っている義兄さんの部下二人。
自分は細かい怪我が数十個散らばっている。
 我ながらできると思っていた自分が馬鹿だ。 人数が多すぎる。
 「そっちには行くな! かす!!」
白雪と菊のほうに走った男を棟で打って蹴りを食らわす。気を失った男を一瞥して、恐怖に怯えた菊の顔が視界に過ぎった。
「全員で、女たちに斬りかかれ!!!!」
叫んだのは淘汰の部下のうち一人。
「―――…ッッ!!!!」

 皇眞は刃を食いしばって走りこむ。 そして、―――これから予想できることを苛みながら、白雪と菊の前に立ちはだかる。
 ずさりと斬られ、服が破かれた。 ぐさりと突かれ、肩に剣が刺さる。 残りの数本は気合だけで弾いて、掴まれた腕を捻ってその男を蹴り倒した。
 自分の姿を見て、目を見開いた男を皇眞は殴り倒した。そして、力一杯男の顔を踏み潰す。
 
 そして、そこに淘汰が入ってきた。




 そんな馬鹿、な。
 入ってから淘汰は、目を見開いて歯を食いしばる。
 「―――白雪、菊を外に出せえ!!! 皇眞、すまんっ、俺のせいや!!!」
叫びながら、皇眞を見やると―――胸の中央を一閃した血の流れている痕と、肩を突かれた痕―――そして。

 白雪が菊を外へと出して、白雪が戻ってきたとき。


 「はっはっはっはっはっ!!!!!! あの白吹殿が“女”だったとはな!!!!!!!!!」


 ―――女!?

 皇眞の服の隙間からは白い肌と、そして微かに見える女特有のもの。
 
 だが、見上げた王眞の目は―――言葉に表せないくらい殺意の満ちた瞳だった。

 その瞬間皇眞は、刀を返して男の首を問答無用で飛ばした。 飛ばしたあとにその体を踏みつけ、突き刺す。そのあと、瞬間的に抜いて唖然とする男の心臓を突き刺して、肩に刺さったままの剣を抜いて首へと突き刺した。
 立ったまま命を賭した男を蹴り倒して、腰に帯剣する剣を抜き払う。―――今まで殺さないようにしていたものが一変、全てを殺す剣へと変わっていた。
 その感情も無い暴走を呆然として淘汰は見ていた。
 そして、皇眞の本質が分かったのだ。 彼―――いや、彼女は本気を出していない。今、目の前の彼女が全力の本気。 その本気は非情な如く人を殺す、残酷な刃だった。
 
 そして、皇眞はぎらりと殺意で光る目で部下の二人を見た。

 淘汰は息を呑む。
 「や、め!」
やめるんや、言おうと思った言葉が出てこなかった。
 皇眞は今はもう自分の声すら聞こえていないのだ。 それが、今まで築いてきた関係を全て壊すような音がして、妙に悲しく苦しくなったから。
 皇眞はちらりと殺気走った視線を一瞬だけ向けて、皇眞は一瞬で淘汰の部下である男の首を跳ねた。 そして、ゆらりとこちらを向いた。―――どうして、こっち、を―――。

***

 殺気の篭もった目で、皇眞は刀を握り―――返り血を浴びた姿で走ってくる。
 こちらのほうへ。
 自分を、“殺し”に。

 「―――皇眞! やめるんやッ!!!」
すぐに刀をいなして、腕を捻る。刀を落とすが剣がぐさりと突き刺さった。 自分も血だらけなのに、それでも人を殺しにくるのか。
「淘汰!! 皇眞!!」
白雪が叫んで走ってくる、が。 淘汰は歯を食いしばって叫んだ。
「―――あほ、そこにいろ!!!」
叫んで、王眞の剣も振り落とす。

 「皇眞ぁ!!! しっかりしろ!!!」
正気の沙汰ではない皇眞に叫ぶ。
「―――ころす。 殺す殺す殺すころす……ころす、ころす。 俺のことは、機密。 明かされてはいけない、なのに、―――殺す!!!!!!!!!!!!!!!」
淘汰に向かって皇眞が叫んだ。
「しっかりするんや!! 誰も、お前のことばらしたりせん!!」
「―――殺す、離せぇえええええええええええっ!!」
皇眞はいつもとは違う子供じみた叫びで、声を上げる。 その声が、いつもとは違う。 子供の声だった、女の声だった。
脱げかけた服で、見るも耐えない姿になっている皇眞はそれでも暴れる。 血がいろいろなところから流れて、本当に死にそうな多量の出血。
「お前が死ぬ!!! 叫ぶな!! 俺が、お前の不利んなることするわけないやろ!!! 俺を誰やと思っとる!!!」
逆に淘汰も叫びながら、皇眞を無理矢理床へと押さえつけた。
「―――ばれたら、白吹が危険になる。 ばれたら、ばれたら、……みんなに危険が及ぶ。 ばれたら、殺す、殺さないといけない」
ぶつぶつと言いながら、皇眞は虚ろな目で淘汰を見上げた。
 暴れて、剣を掴もうと手を必死に伸ばしている。
 
 「皇眞!! 俺が護ったる!! だから、恐れるな!怖がるな! 俺の目を見るんや!! ―――俺はお前を裏切らん!!! この傷に、誓って、今日のこの日を誓ってな!!!」


 皇真の声に負けじと叫んだ。
 大声で、怒鳴りつけるように。 我ながら、馬鹿だと思った。
 それでも、正気ではない皇真に届くならと声を張る。

 「皇真!! 戻って来い!! 俺が、護ったる!!!」

 再度叫んだとき、皇眞の動きは止まった。
 そして。


 「―――………、義兄さ……」


 小さく、本当に小さく皇眞は呟く。


 「―――おれは、じぶんがこわいです」




 酷く悲しげに囁いて、息を殺すように泣いて気を失った皇眞の姿が、淘汰にはずっと忘れられないものとなったのだ。
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