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「あなたとわたしのこいのはなし。」
Act1.ある龍と少女の恋

4.ある少女と龍の恋

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 街についた。
 今度足をつけた街はどうやら、紅雅が昔いた土地と似た和の国に近いらしい。

 「――リウ」

 名前を呼ばれ、こちらを向いた彼は手を差し出してきた。
 わたしにとっては、彼のとなりの位置を歩いていることすら心臓がうるさくなるというのに。徐々に変えていくのはとても緊張する。

 (握れ、ということか)

 するりと手を掴むと握り返される。
 今までみたいに後ろを歩くのではなく、となりを許されることへの幸せは計り知れない。

 「――この街は、すぐに抜ける」
「何でだ?」
「ここはたぶん、花街だ。――お前に嫌な思いはさせたくない」

 言葉少なだけど、以前よりも直接的な言葉で自らの思いを言ってくれるようになったのがこの上なく嬉しい。
 たぶんきっと、過去の出来事を――気にして気遣ってくれている。

 きっと怖い。
 けれど、たぶん――相手があなたならば大丈夫だと思っているわたしもいる。
 この傷あとを見られることは嫌だけど、それでも――。
 わたしを好きでいてくれるならば――わたしも、何かを返したいと願う。

 「―――ッチ」
「―――?」

 街に入ると、視線を感じる。――何もしゃべらないけれど、舌打ちをするということはきっとたぶんこの現状にいらついているらしい。

 「目立つな……?」
「まァな」
「――んん?」
「――お前に怒ってるわけではない。お前を見ている奴もいるってだけだ」

 この街は黒髪や茶髪の人間たちが多いらしい。
 赤い髪と、灰褐色の髪の男女がいれば――それは目立つだろう。

 「それなら」
「――?」
「こうしたらいいさ」

 手をつないでいたそれを腕に回す。身体を寄り添わせて、両腕を彼の腕に絡ませた。

 「お前―――、」
「ん?」
「いや、――そうだな」
外側の手が髪をくしゃくしゃと撫でくる。頭に唇が軽く当たった。

 盗み見るように上目で確かめる。
 周囲を殺気を込めて睨む紅雅の視線はとても凄みがある。さすが神様という感じだ。


 「――そこの旅人おふた方」
「―――?」

 さっと紅雅はわたしを自身の背中に隠すように前に出て、わたしもそれにならって紅雅の後ろから――わたしたちに話しかける女を見やった。
 藍色の髪。
 白い肌。
 ――普通に考えてもこの花街周辺の血ではないことは確かだ。言うならば、リウのいた地域の血筋が混ざっているはず。

 「この花街は異国の血はとても希少だ。――その女の子は危ないよ。他の店は危険だ。よかったらわたしのところに泊まりなさい。どうせ、宿は探すつもりだったんだろう」
「――信じられん」
「――わたしもこの外見だからわかるのさ。――信じられないなら金は払わないでいいさ。さっきからその女の子を獲物を狙う目で男どもは見ている」

 ゆるりと髪を撫でられる。

 となりの彼は――息を吐き、目を紅く光らせる。

 「まァいい。――人間風情だ。何かあったらお前を連れて去ればいい。人間の殺気がわからないほど鈍ってもいないしな」

 そう言って囁く彼に頷く。

 「あなたがいいなら、わたしは構わない。あなたから離れることはないと思うし」

 心から慕うひとが自分を護ってくれるという幸せを噛みしめる。

 「いいだろう」
「――信じなくていい。わたしはわたしのしたいようにするだけだ」
「――」

 宿の主人だろうという女性と、紅雅が話を進める中わたしは彼に抱き寄せられたまま話を見守った。



 ああ、あなたと出逢えて良かった。
 あの日の悲劇も報われるのだろう。

 あなたと歩む日々の幸せを数えて、これからを生きよう。

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~ Comment ~

Act1完結 ネタバレあり。

天から降りてきた赤い龍、紅雅と少女、リウのおはなしでした。
神様の世界はいろいろありますが、もともとは繋がっている設定です。
なので、あの狐の神様ともお知り合いだったというわけですね。


なんの力も持っていないふつうの女の子が、特別なひとをすきになるはなしが好きだったりします。
基本切ない片思いすきです。

短編強化運動をしているので、へたくそな短編うまくなりたいですねー

高宮でした。
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