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「あなたとわたしのこいのはなし。」
Act2.とある少女と男の恋

1.神の怒りを買った大地

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 神様がこの世にいる世界。
 だからこそ、争いは生まれ――私利私欲が生まれる。
 時折、天上から現れる龍のかたちをしたケモノが、ひとびとを食らうという呪われた噂がある。それが起こるようになったのは数百年前。
 ある国のある悪徳高き国王が、――友になったはずの龍を、殺し、そのまろほばの力を奪った。その力は、ひとびとの強欲に火をつけ、力に使役されたひとびとは争いを生むようになった。そうして龍の怒りを買ったその国周辺のひとびとは、龍の怒りに触れることになる。――そんな噂は、ときおり現実となって。ある大地を襲っていた。

 「――おい、あのガキどもを救って何になる。捨て置け。――よりによって、龍を憎むドラゴンスレイヤーの少年を」
 口は悪いが、そのすべてはわたしを心配する言葉だった。――ともに旅をしてきた彼の言葉に微笑む。
「大丈夫だ。――あの子たちはいい子だろう。たぶん。見たところ、十代後半に見える。あの少女は、たぶん位が高い娘だ。少年のほうも腕はあるが、実践はないように見える。訓練を付ければきっと強くなるぞ」
「んなこと言ってんじゃねぇんだよ」
彼、アビは数年前から旅をともにする青年だった。――わたしのすべてを知ってもなお、行動をともにする変わった青年。そうして、彼もまた手を汚すような日々を送っていたのだろうということは理解できた。

 数時間前、――龍たちが送り込んだとされるクリーチャーが、少年少女を襲っているのを見かけて、わたしが助けたというのがことのはじまりだ。
 このあたり一体の森は――この大地の異変の発端である事件が起こった大国の近く。龍たちがひとびとを殺すために自らの姿を模したクリーチャーを創造している地帯でもあった。

 「レシー、……おい、少年、お前はリジーでいいか」

 少女の名はレスティア。少年の名はリジット。
 どうやらワケアリの二人組のようで、それはわたしたちと同じなわけで。

 「――あぁ」

 認めたくはないようだが、自分を助けてくれた手前……そしてひとりの力ではこの森を抜けられないからか、機嫌悪くふてくされつつも素直に答えるリジットに苦笑する。
「とってつけて殺そうとはしない。大丈夫だ。――森を出たら、別れてやる。行くところがないんだったら、ついてきてもいいがな?」
その問いにふたりがはっとしてから、しまったとでも言いたげに目を合わせる。

 やはり、どこからか逃げてくるかしていくところがないようだ。あてのない旅をこれからも続けて、このふたりも龍を殺しに行くのだろうか。

 この付近の者たちは龍たちに恨みを持ち、そして龍たちもひとびとに恨みを持つ。恨みの連鎖が、入り混じる大地だ。違う大地に行けば、違う未来もあるのだろうが、大地を渡るには端まで行かねばならぬのだ。空を飛ぶキカイすら発達していない国。行くことは困難で。

 「まぁいい。――一日じゃ抜けられないから、今日は野宿だ。安全な場所なんてないが、わたしたちが守ってやるから心配するな」
女にそう言われるのが気に食わないのか、リジーはそっぽを向いたまま。そしてとなりのレシーは深く頭を下げた。
「お心づかい感謝します。あなたたちに会えて、わたしたちは幸運です」
彼女はたぶん――懸命にこれからの手だてを考えている。そんな風に、わたしは漠然と思った。

 この世界には不思議な力というものが確かに存在する。
 この世界には、確かに神は存在しているのだから。
 この大地には、その不思議な力はひとびとの手に渡らなかったが――罪を犯した国王の私欲は、国中に広まっていった。最初に殺された龍の力は世界中に飛び散って、コアをつくった。そして、それをひとびとは加工して自分たちで使えるように道具化した。これを、彼らは『クリスタル』と呼んだ。
 扱うのは難しい一握りにだけ許された道具。
 扱う許可を得た者たちだけが扱える奇跡の力。



 ドラゴーネ・クリスタル。龍の結晶。―――――龍の命でつくられた神の御業。

 それこそ神である龍を手にかけたひとびとの罪の証。
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